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高森明勅
2017.8.3 22:00

メタモルフォシス

評論家の西部邁氏が先日、
近刊の『ファシスタたらんとした者』(
中央公論新社)
を送って下さった。

その西部氏が、同著を巡るインタビューの中で、
こんな発言をされている。

時折、『西部はブレない』なんて褒めてくれる方があるけれど、
僕からすれば全く嬉しくない評価ですよ。
昔はよく、
新宿の飲み屋街で

『おい西部、転向なんかして恥ずかしくないのか!』

なんて罵声を浴びせられたものだけど、僕は決まって言い返す。

俺はな、蝶なんだよ。変態してるんだよ』って。

シモーヌ・ヴェイユを見なさい。
スターリニストからトロッキスト、
アナキスト、カソリック…
彼女は15年間に何度も転向している。
物を考えているとメタモルフォシスしないなんて有り得ないんだ」と。

「俺は蝶なんだ」なんて普通、言えない台詞だ。

いかにも西部氏らしい。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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